通信制高校生が大学受験するなら予備校は必須?併用できる?予備校選びのコツを解説

通信制高校はその自由なカリキュラム構成のため、大学進学のサポートが充実している通信制高校や、大学進学に特化した予備校並の学校も増えてきました。

ただ、「大学進学コース」と名のつくコースがあっても、その内容や対応レベルは学校によって様々です。なかには、別途予備校に通う必要がある通信制高校もでてきます。

この記事では、通信制高校から大学進学をするためには予備校に通ったほうがいいのか?ということや、通信制高校と予備校を併用するときのスケジュール、通信制高校生が予備校を選ぶときのコツについてまとめています。

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大学進学のために予備校へ行ったほうがいい?

通信制高校によって異なりますが、大学進学を目指す場合は、予備校や塾にも通うことを基本的にはおすすめします。

通信制高校の授業は、あくまでも「高校卒業」を目指すものであり、基礎的なものは学べても、大学進学、難関大への進学を対象にしているものではないからです。

通信制高校の大学進学率は約2割

通信制高校と全日制・定時制高校の大学進学率の比較

文部科学省の「学校基本調査」を見ると、通信制高校を卒業した人のうち大学へ進学する人は約2割です。全日制・定時制高校の卒業生は約6割が大学へ進学しているので、通信制高校の進学率はまだ低いといえます。

ただし、通信制高校の卒業生も、大学へ進学する人も年々増えています。大学進学に力を入れる通信制高校が増えたことで、通信制高校から大学をめざすのは、もうめずらしいことではありません。

理由の一つとして、通信制高校に入学する生徒は、「高校卒業資格取得」を目指している生徒の割合が多いことが挙げられます。

また、通信制高校は、中学時代何らかの理由があって学校に通えなかった不登校生との受け皿的な役割も果たしています。そのため、単位取得を目的とした基礎的な内容の授業であることが多いです。

こうした理由から、卒業生のうち大学へ進学する人は5人に1人ほどにとどまっています。大学進学をめざすなら、学校の授業だけで足りるのか、予備校や塾を併用したほうがいいのかを、入学前に考えておくことが大切です。

通信制高校で大学進学のサポートがある学校

ただ、一部の通信制高校では、大学進学のサポートを行っている学校もあります。

・大学入試合格に向けたカリキュラムを提供
・AO入試や推薦入試枠専用の対策講座
・小論文や面接講座の実施

など、独自のカリキュラム展開をしています。

また、「トライ式高等学院」などの受験予備校を経営している学校であれば、予備校で使われているのと同じ教材を使い、ハイレベルな受験対策の授業を受けることが可能です。経営母体が運営しているところに応じて、学習カリキュラムは大きく異なります。

通信制高校の中には、マンツーマンでの受験指導などが含まれているものもありますし、推薦入試に実践的な対策を講じることができる学校もありますが、大学進学のサポートはしていても、難関大レベルになると授業の進みが遅い、物足りないということもありますので、入学説明会の段階で確認しておくのが良いでしょう。

予備校に通う必要があるかどうかの質問

予備校に通う必要があるかどうかを入学前に見極める方法ですが、

1.その学校の進学実績をみる

2.どのレベルまでの授業対応しているのかをみる

3.大学進学をした生徒が予備校と併用していたかを聞く

という3点について、説明会時に確認をしておくことがおすすめです。

「大学進学コース」を用意している通信制高校は様々ありますが、そのレベルは学校によってまちまちです。

自分が希望する大学に、通信制高校で用意されているカリキュラムだけで進学できるのかを見極め、予備校に通う必要があるのであれば、予備校の授業料も考えた上での学校選びをしなければなりません。

たとえば、学費の安い通信制高校としては、「NHK学園高等学校」や「鹿島学園高等学校」などが挙げられます。

この2校は、通信制高校の中でも学費を抑えやすい学校です。自由にカリキュラムを組むことができる通信制高校の強みを活かして、高校卒業資格をとるための勉強は最低限に、残りの時間は大学進学にあてる、といった時間の使い方も可能です。

また、2026年度から高等学校等就学支援金の所得制限がなくなり、私立の通信制高校でも世帯の年収にかかわらず、授業料の支援(年337,200円まで)を受けられるようになりました。入学金や施設費、教材費は支援の対象外ですが、高校の授業料をおさえた分を予備校の費用にまわす、という考え方もできます。

通信制高校と予備校は併用できる?

通信制高校と予備校は、併用できます。通信制高校は登校日数が少なく、時間の使い方を自分で決めやすいので、全日制の高校生よりも予備校に通う時間をつくりやすいのが強みです。

全日制の高校生は、授業が終わった夕方から夜にかけて予備校へ通うのが一般的です。通信制高校なら、登校しない日の昼間に予備校の授業や自習室を使えるので、まとまった勉強時間をとりやすくなります。

併用するときの1週間のスケジュール例

たとえば、週1〜2日だけ登校する通信制高校に通いながら予備校を併用する場合、次のような1週間の過ごし方が考えられます。

曜日午前午後
月レポート作成(自宅)予備校の授業・自習室
火通信制高校に登校(スクーリング)通信制高校に登校(スクーリング)
水予備校の自習室予備校の授業
木レポート作成・復習(自宅)予備校の授業・自習室
金予備校の自習室予備校の授業
土日模試・復習苦手科目の演習
※登校日数やスクーリングの時期は学校・コースによって異なります

注意したいのは、高校のレポート提出やスクーリング、単位認定試験をおろそかにしないことです。単位がとれないと高校を卒業できず、大学に合格しても入学できなくなってしまいます。レポートの締め切りやスクーリングの日程を先に予定に入れてから、予備校の授業を組むようにしましょう。

予備校のかわりに通信制高校の進学コースを使う方法も

予備校を運営している会社が母体の通信制高校や、大学進学コースのある通信制高校なら、高校の中で受験対策まで受けられることがあります。学校と予備校の両方に通うよりも、移動の時間や費用をおさえやすいのがメリットです。

ただし、志望校のレベルによっては、学校の進学コースだけでは足りないこともあります。学校の進学コースを中心にして、苦手な科目だけ予備校や塾で補う、という使い分けも考えてみてください。

通信制高校生が予備校を選ぶときの注意

予備校の4つのタイプと通信制高校生との相性

通信制高校は全日制とはカリキュラムの内容が異なるため、通信制高校で勉強ができるといわれていても、全日制の生徒とでは「学力の差がある」ことを目の当たりにすることもあります。

そのため、予備校に通うのであれば、大人数を一律に教えるような予備校ではなく、少人数制か個人指導の予備校を選択することをおすすめします。

少人数制であれば生徒の勉強の進み具合についてサポートをしてもらいやすいでしょう。講師によって相性はありますが、生徒の高校のスケジュールを決めるときにサポートをしてくれる講師であれば、安心して授業を受けられますね。

予備校のタイプと通信制高校生との相性

予備校・塾には、大きく分けて次の4つのタイプがあります。それぞれの特徴を知ったうえで、自分の学力や生活のリズムに合うものを選びましょう。

タイプ特徴通信制高校生との相性
大人数の集団授業決まった時間割で、レベル別のクラスで授業を受ける基礎がかたまっている人向け。授業についていけないと置いていかれやすい
少人数制数人〜十数人のクラスで、講師に質問しやすい進み具合を見てもらいやすく、学び直しにも向いている
個別指導講師1人に生徒1〜数人。時間や科目を選びやすい苦手科目の学び直しや、高校の予定に合わせた通い方がしやすい
映像授業・オンライン録画やオンラインの授業を自分のペースで受ける費用をおさえやすく、自宅でも受けられる。自分で計画を立てて続ける力が必要

通信制高校生が予備校を選ぶコツ

通信制高校生が予備校を選ぶときは、次の点を確認しておくと失敗しにくくなります。

1.昼間の時間帯に授業や自習室を使えるか

2.中学・高校の内容の学び直しから対応してくれるか

3.スクーリングや単位認定試験の時期に合わせて予定を調整できるか

4.総合型選抜(旧AO入試)や推薦入試の対策もあるか

5.高校の学費とあわせて、受験までの費用を払い続けられるか

多くの予備校では、体験授業や個別の相談を受けられます。通信制高校に通っていることを伝えたうえで、昼間の使い方や、レポート・スクーリングとの両立について相談してみると、自分に合うかどうかを判断しやすくなります。

通信制高校が大学受験のメリットになる場合

通信制高校は基礎的なカリキュラムを学ぶことが多く、学校の授業の内容としては、レポート提出とスクーリング、単位認定テストの3つがメインです。

単位制の学校なので、卒業に必要となる74単位を取れれば卒業資格が得られます。

つまり、単位を取得して卒業をする期間を自分で決められるため、卒業までのスケジュールを自分で選択可能です。自分で大学進学を目指して勉強したいなら、自分だけではなく先生にも相談しましょう。

担任の先生に相談することによって、スケジュールに関してアドバイスをもらえることが多いです。

単位認定テストは教科書の内容が理解できていれば回答できる問題です。

単位を早めに取得し、受験勉強に専念するスケジュールを組むこともできます。時間を有効に使うことによって、単位修得と受験勉強の両立が可能となります。時間の使い方を自分で管理できるかどうかが受験勉強成功の鍵といえるでしょう。

大学進学を目指すなら通信制高校選びはここに注意して!

大学進学をめざす人が入学前に確認する4つのこと

学校によっては難関私大や国公立大への入学者を出している学校も増えてきました。

しかし、多くの学校は高校卒業を目標にした生徒が中心で、カリキュラムもそれに合わせた内容になっています。

そのため、大学進学を目指すなら、その通信制高校の卒業生の進路や、カリキュラム内容、大学進学のためにどんなサポートをしているかなどを確認するようにしましょう。

合格した生徒の予備校に通っていた割合も確認して、通うかどうかの判断材料にしてください。パンフレットやホームページ、学校訪問でほとんどの情報をチェックすることができます。しっかり見極めて、自分の希望する進路につながる道を選んでいきましょう。

通信制高校と予備校についてよくある質問

通信制高校から大学受験をするなら、予備校は必須ですか?

必須ではありません。大学進学のサポートが充実した通信制高校なら、学校の授業だけで受験対策ができることもあります。ただ、通信制高校の授業は高校卒業をめざす内容が中心なので、一般選抜で難関大学をめざす場合は、予備校や塾の併用を考えるとよいでしょう。

通信制高校と予備校は両立できますか?

両立できます。通信制高校は登校日数が少ないため、昼間に予備校の授業や自習室を使いやすいのが強みです。ただし、レポートの提出やスクーリング、単位認定試験の予定を先に決めてから、予備校の予定を組むようにしましょう。

通信制高校生にはどんな予備校が向いていますか?

学び直しが必要な人や、高校の予定に合わせて通いたい人には、少人数制や個別指導の予備校が向いています。自分で計画を立てて勉強を続けられる人なら、費用をおさえやすい映像授業やオンラインの予備校も選択肢になります。

通信制高校から大学に進学する人はどれくらいいますか?

文部科学省の学校基本調査では、通信制高校の卒業生のうち大学へ進学する人は約2割です。全日制・定時制高校(約6割)より低いものの、大学進学に力を入れる通信制高校が増えており、進学する人も年々増えています。

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阪口裕樹のアバター 阪口裕樹 通信制高校選びの教科書 編集長

自身の発達障害の経験から「生徒一人ひとりに合った学校選びをサポートしたい」という想いで2013年に当サイトを創設。卒業生への直接取材と、公式サイトや資料に基づいた徹底的な情報検証を続け、現在は年間110万人が訪れるサイトとなりました。読者が本当に知りたい情報を、分かりやすく誠実にお届けすることをお約束します。

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