「通信制高校」というと、勉強が苦手、したくないという生徒が行くイメージがあるかもしれませんが、
私立の通信制高校の中には、予備校並のカリキュラムを取り入れ、個別指導で数多くの大学進学(難関大含む)に合格者を輩出する学校も増えています。
この記事では、「通信制高校から大学進学・難関大合格は可能?」という疑問にお答えしながら、大学進学を目指す上での通信制高校選びについて解説します!
失敗しない通信制高校選びのコツ

通信制高校選びに失敗した生徒の口コミをみると、「学校の雰囲気が自分にはあわなかった」「不登校や発達障害があるのに、サポートのない学校に入って苦労した」といった声が目立ちます。
通信制高校は、自学自習が基本の学校から、不登校や大学受験などのサポートに力を入れている学校まで様々。学校選びに失敗しないためには、「自分が住んでいる地域にどんな学校があるのか」を正確に把握することが大事です。
まずは通学圏内にある学校資料をまとめて請求・比較するところからはじめましょう。

*資料請求をしたあとは、気になる学校の説明会に参加してみましょう。学校の雰囲気を知ることで生徒も安心しますし、入学後に後悔することも少なくなります。
*学校によっては「出願には説明会の参加が必須」としているところもあります。資料は早く取り寄せ、募集要項は確認しておきましょう。
通信制高校からの大学進学事情

通信制高校に通っている生徒のうち、どれくらいの生徒が大学に進学するのでしょうか。
「平成30年度学校基本調査」によると、通信制高校の大学等進学率は18.5パーセントとなっています。これは全日制・定時制高校の進学率54.7パーセントのおよそ3分の1の数値です。
通信制高校に通う生徒には、働きながら通学している生徒も多くおり、既に社会人として働いている人も通っています。
また、夢を叶えたいと芸能活動やスポーツに邁進している人もいて、大学進学を元々考えていない生徒が多くいます。
そのような背景から、学校側も高卒資格の取得に注力しているため、生徒の大学進学については優先度が低くなってしまうのが現状です。
大学進学サポートを積極的に行う通信制高校

ただ、最近では通信制高校から大学に進学したいと希望する生徒も増えており、勉強面だけでなく、進路相談や面接対策といったサポート体制を充実させている通信制高校も増えてきました。
全日制と比べて大学進学を希望する人数は少ないですが、指定校推薦による受験についてはライバルが少なく、枠が取りやすくなります。
通信制高校から大学進学を目指すことは十分できます。
通信制高校出身だからといって受験に不利ではない!重要なのは試験の成績
通信制高校から大学を目指す際に、学校の名前で不利になってしまうのではという心配をする人もいますが、大学入試で重要なのは試験の成績が合格ラインを超えているかどうかです。
全日制だろうと通信制だろうと、出身校は関係ありません。
私立大学、国公立大学いずれも、一般的な大学受験では試験の成績で判断されるので安心して受験に挑んでください。
通信制高校から大学進学を目指す3つのメリット

通信制高校から大学進学を目指すにあたって、全日制高校にはない3つのメリットがあります。いずれも通信制高校ならではの強みなので、チェックしてみてくださいね。
1.自由時間が多いぶん、受験勉強に時間を割ける
全日制高校だと毎日学校で授業を受けて、往復の通学時間も合わせると相当時間がかかってしまいます。
その点で、通信制高校は毎日学校に通う必要がなく、その分の時間を受験勉強にかけることができます。
稀ですが、通っていた全日制のレベルが低く、自分で勉強したいと通信制高校に転校して大学受験を目指す人もいるくらいです。
自分で大学受験に向けてしっかり情報を集めて、自分専用の学習スケジュールを組めば無駄なく学習することができますよ。
2.一人ひとりに合ったカリキュラムを組んでもらえる
全日制高校では1クラス30~40人ほどの生徒が、決められたカリキュラムに沿って一斉に授業を受けます。
大人数なので途中でついて行けなくなった生徒がいても、先生に個々の生徒の理解度までは分かりません。
一方、通信制高校では、生徒一人ひとりに合ったカリキュラムを組んでもらえます。
通信制高校では自宅学習が基本ですが、大学進学を希望する人には先生と一緒に作ったカリキュラムに基づいて通学し、分からないところを個別に教えてもらうこともできるんです。
3.指定校推薦の競争率が全日制と比べて低い
指定校推薦とは、大学が個々の高校に特別推薦枠を作って優秀な学生を確保するという制度です。
ここでの優秀な学生とは、スポーツではなく成績が優秀な学生のこと。なので、指定校推薦での大学進学を目指すためには、日頃から勉強して試験で良い成績をキープしておく必要があります。
推薦枠にさえ選ばれれば、基本的な人となりのチェック程度の面接を受けるだけで、高確率で入学することができます。
全日制高校の指定推薦枠は難しい
全日制高校で指定校推薦の枠を取ろうとすると、MARCHや関関同立といった偏差値・知名度の高い大学はかなり競争率が高くなります。
普段からしっかりと勉強してテストの対策をし、さらには先生からの評判も良くなければ、選ばれるのはかなり難しいです。
通信制高校では大学受験希望者が少ないため、全日制高校と比べると指定校推薦の枠が取りやすくなります。行きたい大学があり通信制高校に推薦枠がある場合は、全日制高校から受けるよりもおすすめですよ。
大学進学を希望する人が通信制高校を選ぶポイント

通信制高校から大学進学を目指す場合、まずはそれぞれの通信制高校の大学合格実績や大学進学への取り組みをチェックするのがおすすめです。
特に大学進学に注力している通信制高校の場合、ホームページに過去数年間の進学先や進学率、進学・特進コースの有無といった情報が掲載されています。
その上で、特に抑えておきたいポイントを紹介します。
1.進学・特進コースが用意されている
大学進学に力を入れている通信制高校の中には「特進コース」や「進学コース」を設けているところが多くあります。
これらのコースでは、普通コースの学習内容に加えて現役予備校の講師のWeb講座やライブ配信講座を受けることができるといった、受験のためのワンランク上の学習をすることができます。
また受験を目指すコースがあるということは、それだけ生徒を大学に送り出した経験も多いということ。でノウハウも蓄積されています。勉強面だけでなく進路相談においても、安心して相談することができますよ。
2.大学進学へのサポート体制が充実している
通信制高校の大学進学に向けたサポート体制として挙げられるのは、個別授業や学習スタイルの選択、そして自習室です。
特に通信制高校では個別授業に力を入れているところが多く、生徒がつまずいているところや理解度が低いところに先生がすぐに気づくことができる点がメリットです。
分からないことをしっかり解消してから、授業を進めてもらえます。また勉強面だけでなく、進路について都度個別に相談できるのも良いところといえます。
3.マンツーマンで指導をしてもらえること
通信制高校の中には、予備校のような授業を用意している学校や、マンツーマンで指導をしてもらえる家庭教師のようなスタイルもあります。
このように、自分に合う方法を選ぶことができる点も通信制高校ならではのサポート体制です。
マンツーマンは緊張して苦手という人も、自分に合う学習スタイルで勉強できるのでおすすめですよ。
そして施設的なサポートとして挙げられるのが自習室です。家の自室ではなかなか集中できないという人も多いのではないでしょうか。
通信制高校なら家の近くのキャンパスの自習室に通って、分からないことはその場にいる先生にすぐに質問することができます。
難関大学を目指すために、通信制サポート校にも通う選択肢

通信制サポート校とは、通信制高校での勉強をサポートするところで、例えるなら予備校や塾といったところです。実際に予備校や塾などがサポート校の運営をしています。
通信制サポート校では、難関大学コースだけでなく、先生が生徒の自宅まで教えに行くコースなど多彩なコースがあります。
通信制高校だけだと基本的に勉強は一人でしなければならないため、受験勉強へのモチベーションを保つのが難しいときも。
でもそんなときに通信制高校の先生だけでなく、通信制サポート校による勉強面をはじめ精神面のサポートも大きな助けになりますよ。
また通信制サポート校を運営する予備校や塾の模試や受験情報を活用できるのも魅力のひとつです。通信制高校から東大や京大、早慶といった難関大学を目指す人の多くが通信制サポート校を活用しています。

大学進学に向けた通信制高校の取り組み例

ここでは、特に大学進学に力を入れている通信制高校・サポート校の事例を3つご紹介していきます。
1.中央高等学院

中央高等学院は、AO入試や推薦入試枠専用の対策講座を用意しており、小論文や面接対策を学ぶことができます。
教科ごとの「レベル別講座」や「夏期・冬期講習」など、予備校のようなカリキュラムで大学合格を目指すことができます。

2.わせがく高等学校

早稲田予備校を持つ早稲田学園が経営する「わせがく高等学校」では、受験予備校のノウハウを活かしたハイレベルな受験対策をすることができます。
予備校で使われているのと同じ教材を使って学習をすることができる他、週5日制コースに在籍している生徒は予備校の入学金・授業料が免除されます。
通信制高校に通いながら、予備校で受験勉強を進める環境が整っています。

3.トライ式高等学院

トライ式高等学院は「家庭教師のトライ」が母体になっており、生徒ひとりひとりの進学校や、学習状況に合わせて「完全に個別」で学習スケジュールを立ててくれます。
運営母体がしっかりしているので、小中学校のやり直しから難関大指導まで、幅広い要望に答えられる通信制サポート校として人気があります。
大学進学を目指すときの通信制高校選びの注意
「大学進学コースを用意しています」という通信制高校は少なくないのですが、実際に早稲田や慶応といった難関私大(あるいは国立)レベルに毎年生徒を輩出している学校は、あまり数が多くなかったりします。
通常、通信制高校は「高校を卒業し、高卒資格を取ること」を一番の目的としているため、必ずしも大学進学、さらには難関大への進学に対応していないからです。
全日制高校に通っている生徒が、塾や予備校に通うのと同じように、通信制高校の生徒も大学受験用に予備校に通っている人もいます。
そのため、もし難関大進学を考えているなら、そのレベルにまで対応してくれる学校を選ぶことが大切です。
具体的には、
・ここ数年の卒業生はどんな大学に進学しているか
・難関大用のコースや授業カリキュラムはあるのか
・授業はグル―プなのかマンツーマンなのか
・実際に合格した生徒は予備校には通っていたか
などが判断基準になるでしょう。
進学実績やカリキュラム内容は、学校のパンフレットで詳しく調べることができますし、学校訪問で雰囲気を感じることができますよ。
通信制高校から大学進学を目指すなら受験サポートが充実しているかチェックしよう
通信制高校からでも、試験で結果さえ出せば大学進学は可能です。受験に合格するためには、受験勉強をしっかりサポートしてくれる通信制高校がおすすめです。
受験に備えられるコースやサポート体制が整った通信制高校を選んで、希望の大学への進学を目指しましょう。
失敗しない通信制高校選びのコツ

通信制高校選びに失敗した生徒の口コミをみると、「学校の雰囲気が自分にはあわなかった」「不登校や発達障害があるのに、サポートのない学校に入って苦労した」といった声が目立ちます。
通信制高校は、自学自習が基本の学校から、不登校や大学受験などのサポートに力を入れている学校まで様々。学校選びに失敗しないためには、「自分が住んでいる地域にどんな学校があるのか」を正確に把握することが大事です。
まずは通学圏内にある学校資料をまとめて請求・比較するところからはじめましょう。

*資料請求をしたあとは、気になる学校の説明会に参加してみましょう。学校の雰囲気を知ることで生徒も安心しますし、入学後に後悔することも少なくなります。
*学校によっては「出願には説明会の参加が必須」としているところもあります。資料は早く取り寄せ、募集要項は確認しておきましょう。